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Mike Brodie  ユースカルチャーの痛み。

 

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Copyright : Mike Brodie, Courtesy Yossi Milo Gallery, New York etGalerie Les filles du calvaire

Mike Brodie の写真が胸に迫る。

彼の写真は美しい映画のワンシーンのようだ。けれど、この写真は被写体をケアしてくれるスタッフや環境の整ったロケがおこなわれる映画の現場でとられたのではなく写真家と仲間のその日暮らしの日常を切り取ったものだ。

この写真集はアメリカの大陸横断貨物列車などに無賃で飛び乗り、

渡り労働者として各地と列車をを転々としながら生きるトレインホッパーたちの姿をおったものだ。

彼の写真は美しくドラマチックで同時に

どこまでも痛々しい。

 

 彼の写真は

ユースカルチャーそのものようだ。

RockやEDMで踊り、仲間と馬鹿騒ぎして、とにかく賑やかで、明るくみえる裏側に

未来への不安や、若さゆえの未熟さがもたらす敗北がしっかり抱きあわされている。

 

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 Copyright : Mike Brodie, Courtesy Yossi Milo Gallery, New York etGalerie Les filles du calvaire

 

写真集の裏の彼のコメントは写真に関する言葉は数行しかかかれていない。

写真集で賞をとったこと 初めての賞金は母にプレゼントしたこと。

ポラロイドがフィルムを作らなくなったからカメラをかえたこと。

 

それ以外は彼の半生がひたすらに書かれている。

父の度重なる逮捕、収監。  

恋した女の子がドラッグにはまっていくこと。

バンドもやっていたが、車のメカニックになって働いていること。

 

彼の写真に写っているのは、彼の痛切で生生しい彼の人生そのものだ。

でも、彼の視点はその人生を作品に昇華する。

彼の人生に間違いなく訪れた美しさを永遠に固定する。

 

 

A Period of Juvenile Prosperity

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