ちょっとしたパーティとハロウィン
トピック「ハロウィーン」について
むかし、ファッション誌の紹介文に「ちょっとしたパーティにぴったりの服」ってたまにあって、それを見るたびにちょっとしたパーティなんて俺たちの生活のどこにあんだよてと思っていた。
今になって、その「ちょっとしたパーティ」が
ハロウィンの渋谷なんじゃないかって思う。
ドンキの手軽な衣装があればだれでも参加できる路上の舞踏会。 踊る隙間なんてどこにもないんだけど。
ハロウィンの渋谷にはここ三年毎回カメラを持っていく。
毎年どんどん人が増えている。
そのハロウィンを、見ながら、久しぶりにこれってストリートカルチャーが盛り上がってるんじゃないかと思うようになった。
ここ最近、エンタメのムーブメントはコミケなどのアニメの文脈だったりアイドルブームだったりヲタというか特定の分野に強い興味がある人向けのものになっていて
そこまで、特定の趣味はないけど、わりにエンタメ全般が好きで何かその時代ごとに盛り上がるもの(ラグビーワールドカップとか)をたくんの人と共有したい、共有して盛り上がる場所がほしいというような人の場所って あまりなかった気がする。
こういう人たちってけっこういるんじゃないかって思うみんな自分の人生にそれぞれ忙しいんだ。エンタメだけを全力で見ているわけにはいかない。
そんな彼らが見つけた久々に盛り上がれる「場」がハロウィンだったのじゃないかと思うのだ。
しかもアニメ人気、コスプレブームのおかげで仮装向けの衣装、ウィッグ、メイク道具
などほんとうに安価でクオリティが高いものがたくさんあるし、今やコスプレも一般的で特にめずらしくもない。
つまり
何かに盛り上がりた人々と
クオリティの高いコスプレができる環境
それがハロウィンというテーマを見つけて
一気に華開いているように思う。
個人的には、「リア充」たちが、アニメブームを消化して渋谷に帰ってきたように感じていて面白いんだ。
そしてこの盛り上がりの好きな点は
大企業とか、代理店とか、企業が引っ張っているんじゃなくて
企業を利用しながら仮装している渋谷にいる一人一人が好き勝手に盛り上げているところに魅力を感じる。 ストリートカルチャーらしく路上から全てが始まるんだ。
だからもともと、人がいる場所にさらに必要以上に街に人が集まり過ぎるという点もあるのだろうけど。。
流行や、新しいものは街から発信されるという時代が90年代にはあった。
コギャル、ストリートスナップ、ハイテクスニーカー。。。HMVなどから発した渋谷系みたいに。
でも、いま新しいこと、面白いことが集まるのは街じゃない。
twitter、instagram、まとめサイト、LINEなんかのSNS、インターネットに移ってしまって
みんなスマホを持ってうつむいている。
だからなんかオンラインじゃない、実際のあの街に面白いものがありそうだなんて
感覚自体が懐かしくて痛快だった。
もしかしたらそのことを新しく感じる世代もいるんじゃないか。
もう一つ感じるのは、このムーブメントの中心は女性がになっていること。
ハロウィンの夜 街を歩いてみるとわかるけど ほとんどが女性だ。
それはSNSでも一目瞭然。
クオリティの高い男性の仮装を見つけるのはまだまだ少ない。
女性が集まる華やかさにきっと集まる男性はさらに増えるはず
だから、このシーンはきっとさらに盛り上がっていくよ。
ゴミがたくさん出るという問題なのだけど
人が集まるとどうしてもでる問題。。。
ただ、自主的にゴミを集める動きも出始め
日本人はこの分野 得意だからうまい仕組みできるのじゃないか。
行政側はメイク場所を用意したりむしろフォローする方向に向かっている。
ゴミの問題もきっと年々、良くなっていくと思う。
「ちょっとしたパーティ」とは
普段より少しだけ、おしゃれをして、いつもとは違う自分になって日常から非日常に飛び出せる場所なんだろう。
そして、その場所には普遍的な魅力があって
きっとそれに向けて洋服も売れてきたんだ。
(いまは、それが仮装になったのだけど。)
だとしたら、そのニーズを満たして誰もが参加できる
ハロウィンの人気はきっと普遍的に拡がってくんじゃないか やっぱ。