夜が明けるまで終わらないダンスの続き tofubeats Positveによせて
tofubeats Positive
反風営法の象徴的な一曲ともなった、彼の名曲「夜が明けるまで終わらないダンスを」
風営法は改正され 一定の条件を守れば、クラブでも夜が明けるまで踊れることになった。
時代はひとつ進んだけれど、ダンスや音楽にまつわる現代的な問題が、すべてが解決したわけではない。
YUKI、ももクロなどのリミキサーとして注目され若手の代表的トラックメイカーとしてメジャーデビューしたtofubeatsの二枚目のAL「POSITIVE」
LP最後の曲でありボレロのように同じ主題、ビートを繰り返しながら展開していく圧巻の8分間
「I Believe in You」がとにかく素晴らしい。
この曲だけでもひたすら聞いてしまう。
豪華なゲストも注目のポイントだ。
表題曲でありDrreamのAmiが参加した明るくJPOPの文脈にそった「POSITIVE」
本人が耳を荒野にするという小室哲也との共作が素晴らしい 90年代と10年代ががっぷりよつの「Throw your laptop on the fire」
くるりの岸田繁参加の坂道をゆるやかなにくだるような心地いいメロディ「くりかえしのMUSIC」
前作の、「衣替え」を思い起こさせるEGO-WRAPPINの中良良恵が歌い上げる「別の人間」
彼の特徴は
アイドルやJ-POPの明るいサウンドと
コントロールされたテンポが身体全体を揺らすダークで密度の濃いクラブサウンドのビート
それが朝が夜になっていくように重なりながら移り変わっていくことだろう。
メジャーデビューをし、itunesで一位になり自らのALに豪華なゲストを呼ぶようになっても
ここはまだ彼にとってのゴールではない。
彼は、今年自体をも「荒野っぽい」と話す。
それは、様々な楽曲が歴史性やフィジカルをなくし全て等しいデータになっている
音楽の現在が彼にはそう見えるからだろうか。
インタビューで彼は90年代にもっていた音楽の影響力は今はないと言う。
ただ、90年代の楽曲を今発表すれば同じように力を持つということではなく
文字通り時代が変わってしまったのだと。
夜が朝になり 朝がまた夜になる。
朝から夜に向かう一枚がこのPOSITIVEなのかもしれない。
その夜に彼のビートはより研ぎ澄まされていく。
tofubeats / トーフビーツ -「すてきなメゾン feat. 玉城ティナ」 - YouTube
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